増刊号 消化器・一般外科医のための—救急・集中治療のすべて
Ⅰ章 周術期の集中治療
呼吸管理
酸素療法
陳 和夫
1
Kazuo CHIN
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座
pp.10-15
発行日 2016年10月22日
Published Date 2016/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211340
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POINT
■酸素の投与法には,患者の呼吸パターンによって吸入気酸素濃度が変化する低流量法と,一定の酸素濃度を吸入可能な高流量法があるが,PaCO2値が45 Torrを超える患者では高流量法を使用したほうがよい.
■CPAP,NPPVの使用により,旧来の酸素投与に比較して,持続陽圧下でも酸素投与可能となり,周術期呼吸管理に有用な場面が多いが,さらにNPPVでは換気補助が行えるので,特に高二酸化炭素血症患者には有用である.
■high flow systemは高流量法の酸素投与システムの1つであり,吸入気酸素濃度を100%近くまで投与可能で,気道の加湿,わずかの持続陽圧,死腔減少などの長所も多いが,効用が不明な点も残されている.
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