Japanese
English
臨床報告
膵頭部神経内分泌腫瘍との鑑別が困難であった異所性副腎の1例
A case of adrenal rest tumor in which a differential diagnosis from p-NET was difficult
井上 雅史
1
,
種村 匡弘
2
,
伊禮 俊充
1
,
中平 伸
1
,
清水 洋祐
1
,
畑中 信良
1
Masashi INOUE
1
1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター外科
2大阪警察病院外科
キーワード:
異所性副腎
,
膵神経内分泌腫瘍
,
膵頭十二指腸切除術
Keyword:
異所性副腎
,
膵神経内分泌腫瘍
,
膵頭十二指腸切除術
pp.775-779
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211211
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要旨
異所性副腎は微小な病変で非機能性であることが多く,治療の対象となることは少ない.今回われわれは,膵神経内分泌腫瘍(p-NET)と鑑別が困難であった本疾患例を経験した.66歳の男性がGISTの経過観察中に,CTで膵体部腹側に早期濃染する8 mm大腫瘤と膵頭部腹側に微小な早期濃染腫瘤を認めた.多発p-NETと診断し膵頭十二指腸切除術を行った.術後病理検査で膵体部p-NETに併存した異所性副腎と診断された.異所性副腎は後腹膜などを好発部位とし,加齢とともに縮小する微小な病変であることが多く,CTでは造影効果を伴うことが多い.このような所見を伴う場合には本疾患も考慮に入れて手術適応や術式選択をすべきである.
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