FOCUS
がん医療ネットワークナビゲーター
西山 正彦
1
Masahiko NISHIYAMA
1
1群馬大学医学系研究科病態腫瘍薬理学
pp.608-612
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211176
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はじめに
がん対策基本法のもと,推進基本計画が開始されて8年が経過する.計画は一定の成果をあげてきたものの,2007(平成19)年に掲げた10年間の全体目標である,がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少は達成が難しいとされている1).また,患者の身体的,精神心理的苦痛の緩和がいまだ不十分であることや,医療の均てん化や医療情報の提供体制など,いまだ多くの課題が残されていることも明らかになっている.こうした課題に加えて,超高齢社会に突入した今,医療と介護,生活支援の連携強化も危急的課題となった.がん医療の場と,在宅医療と介護サービスを受ける患者の生活の場との間に大きな溝がある地域は決して少なくない.最初から最後まで満足できるがん医療を提供するには,従来にない包括的で効率的なアプローチが必要である.地域に密着した「がん医療ネットワークナビゲーター」養成事業は,そうした試みの一つである.
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