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特集 外科医に求められる積極的緩和医療—延命と症状緩和の狭間で
知っておきたい緩和医療の積極的介入法
骨転移に対する手術および骨修飾薬を用いた薬物療法
Surgical treatment and pharmacotherapy with bone-modifying agents for bone metastasis
森岡 秀夫
1
,
西本 和正
1
,
堀内 圭輔
2
,
須佐 美知郎
3
,
菊田 一貴
1
,
山口 さやか
1
,
日方 智宏
1
,
石井 賢
1
,
中村 雅也
1
,
松本 守雄
1
Hideo MORIOKA
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2慶應義塾大学医学部抗加齢運動器学
3防衛医科大学校整形外科
pp.1493-1499
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211021
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【ポイント】
◆骨転移の病態は複雑であり,様々な要素によって患者の状態をスコア化し,手術適応および姑息的手術や根治的手術などの手術方法を検討する.
◆脊椎転移に対する手術には,後方から脊髄を圧迫している腫瘍を可及的に摘出・除圧を行い,不安定性を認める場合はinstrumentationによる固定術を追加する姑息的手術と,転移を生じた脊椎骨全体を摘出し根治性を求める腫瘍脊椎骨全摘出術がある.
◆四肢骨転移に対する手術には,腫瘍を可及的に切除または切除せずに骨セメントやプレート,髄内釘などで固定のみを行う姑息的手術と,骨転移巣の局所根治を目的に腫瘍の切除を行い,腫瘍用人工骨頭や人工関節で再建する手術がある.
◆骨転移の治療薬としては,ビスホスホネートと抗RANKL抗体があり,顎骨壊死や低カルシウム血症などの副作用はあるが,様々な種類のがん骨転移で骨関連事象に対する有効性が示されている.
◆骨転移外来や骨転移カンファレンス(キャンサーボード)などにより,患者の状態把握を行い,骨転移を管理することにより,骨関連事象の予防と手術や薬物療法などの適切な対応を行う.
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