増刊号 消化器・一般外科手術のPearls&Tips—ワンランク上の手術を達成する技と知恵
⑩脾臓
開腹・腹腔鏡下脾摘術
河地 茂行
1
,
千葉 斉一
1
,
高野 公徳
1
Shigeyuki KAWACHI
1
1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科
pp.260-265
発行日 2015年10月22日
Published Date 2015/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210963
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脾臓摘出術(脾摘術)の適応は様々であり,特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のような良性疾患から,悪性リンパ腫などの悪性疾患,肝硬変に伴う脾腫,ABO血液型不適合移植における免疫制御のための脾摘など多岐に及んでいる(表1).脾摘術自体は再建を伴わない手術であり,難易度が高い手術とは一般的に考えられていないが,肝硬変などの門脈圧亢進症に伴う巨脾症例などは,視野の展開が難しいうえに,脾腎シャントなどの側副血行路が背側に存在しており,難易度の高い手術となる.
本稿では一般的な脾摘術の手技(開腹・腹腔鏡下)を概説し,その後にワンランク難易度の高い脾摘術に対する手技的な工夫を解説する.
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