Japanese
English
臨床報告
肝サルコイドーシスを併存した早期胃癌に対し腹腔鏡手術を施行した1例
A case of laparoscopic distal gastrectomy for early gastric cancer with liver sarcoidosis
村井 俊文
1
,
田中 千恵
1
,
松下 英信
2
,
伊藤 武
1
,
藤原 道隆
1
,
小寺 泰弘
1
Toshifumi MURAI
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
2江南厚生病院外科
キーワード:
胃癌
,
肝転移
,
サルコイドーシス
Keyword:
胃癌
,
肝転移
,
サルコイドーシス
pp.639-644
発行日 2015年5月20日
Published Date 2015/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210759
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要旨
63歳,男性.内視鏡検査で胃前庭部にⅡa+Ⅱc病変,壁深達度T1b(SM)の低分化腺癌が見つかった.CT,MRIで転移巣として矛盾のない肝腫瘍がみられ,超音波検査では境界不明瞭な低エコー像で,造影後血管相でまだらな低エコー像を呈した.典型的ではないものの肝転移を否定できず,肝生検を行い,治療方針を決定することとした.肝生検では肉芽腫と診断され,腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.術後に肺門リンパ節生検により類上皮肉芽腫が確認され,サルコイドーシスの診断基準を満たし,肝病変は肝サルコイドーシスと診断された.遠隔転移と鑑別を要する病変を有する症例の術前検査や治療方針,術式の選択には十分注意する必要がある.
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