文献抄録
腹部大動脈瘤の術前評価における磁気共鳴画像と血管造影の比較
掛札 敏裕
1
1慶応大学医学部外科
pp.1891
発行日 1988年12月20日
Published Date 1988/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210238
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磁気共鳴は水素原子の磁気固有の性質に基づく非侵襲的な画像様式である.強力な磁気下では水素原子核や陽子は磁界に同調し,その整列を乱すような電磁波を受けると,ミリ秒の間に再度整列し電磁波を出す.その信号により画像を再構成する.組織の区別は含まれる水分量により決まる.磁気共鳴には放射線や造影剤が不要で,横断面,矢状面,冠状面など,多くの像を走査できる.
血管造影は一般に腹部大動脈瘤の術前評価の決定的な検査として施行されているが,一部ではその費用と侵襲のために疑問視されている.また合併症も稀ではなく,出血やアレルギー,腎不全,穿刺部位からの血栓,動脈瘤穿刺の危険がある.
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