特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胆道
乳頭形成術
鈴木 範美
1
,
新谷 史明
2
Noriyoshi SUZUKI
1
,
Fumiaki SHINYA
2
1東北大学医療技術短期大学部
2東北大学医学部第1外科
pp.875-877
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210060
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乳頭形成術は,十二指腸授動と総胆管切開術のもとに乳頭の位置を正しく把握して,乳頭部直下で十二指腸切開を行う.乳頭は前外側壁を切除するが,その際膵管開口部を確認しながら操作をすすめること,また切離縁の十二指腸壁と総胆管壁は十分に把持して縫合し,切離縁からの出血は完全に止血することが大切である.乳頭は幅2〜3mm,長さ20〜30mmの模状切除で狭窄部は解除されて遠隔時にも問題はない.
本術式の適応としては,乳頭狭窄,乳頭不全,胆管系に狭窄のない肝内および胆管結石症で胆泥,小結石の遺残が考えられる場合,胆石症の再手術例で今後も再発の可能性が予想される場合などがあげられる.なお,われわれは本術式が胆石症の第一次選択の手術術式とは考えていないことを強調したい.
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