Japanese
English
臨床報告
術前診断が困難であった腸間膜偽性乳び嚢胞の1例
A case of chylous mesenteric pseudocyst which was diagnosed as pancreatic cyst preoperatively
小松 誠
1
,
岩浅 武彦
1
,
久米田 茂喜
1
,
井之川 孝一
1
,
堀 利雄
1
,
牧内 正夫
1
,
重松 秀一
2
Makoto KOMATSU
1
1国立松本病院外科
2信州大学医学部第1病理学教室
pp.111-114
発行日 1988年1月20日
Published Date 1988/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209915
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はじめに
腸間膜嚢胞は比較的稀な疾患であるが,本邦においては1893年伊藤ら1)の報告以来,1977年までに288例の報告がある2).本症の術前診断は従来,特徴的な症状がないので困難とされており,腹痛を主訴とする場合には腸閉塞や腹膜炎として開腹手術後発見されることが多い.
今回我々は腹痛を主訴とする患者に,①腹部単純X線撮影,②小腸造影,③超音波検査(US),④コンピューター断層撮影(CT),⑤内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などの諸検査の結果,術前に膵嚢胞と診断し,手術時に初めて腸間膜嚢胞と判明した1例を経験したので報告する.
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