文献抄録
大腸癌術後に合併する感染症と手術期輸血の関連
菊山 成博
1
,
石引 久弥
1
1慶応大学医学部外科
pp.1558
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209827
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麻酔,出血,輸血,手術侵襲,手術時間は術後の免疫抑制をもたらし,術後感染症発生に関連をもつとする報告がある.これらの知見の臨床的意義を明らかにするため,大腸癌術後の感染症と多くの手術期における因子との関係を検討した.
対象は肝および他部位への転移を認めなかつた大腸癌症例の予定手術を受けた168名であつた.これらの患者は1983年8月1日より1984年12月31日までに術前診断をうけ,下剤,浣腸,ネオマイシンとエリスロマイシンの経口投与,セファゾリン静脈内投与による腸管処置を施行され,術後24時間セファゾリンが持続投与された.年齢,性,術式,切除標本の長さ,分化度,転移リンパ節数,病期,入院時ヘマトクリット値,出血量,入院中輸血量,腫瘍サイズ,Dukes分類などと術後感染症の関連を多変量解析により検討した.
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