Japanese
English
特集 癌術後follow upと再発時の対策
乳癌
Postoperative examination and treatment of recurrent cancer of the breast
阿部 力哉
1
,
野水 整
1
Rikiya ABE
1
,
Tadashi NOMIZU
1
1福島県立医科大学第2外科
pp.1483-1487
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209811
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はじめに
乳癌にかぎらず,いずれの臓器癌においても,術後のfollow upなしには癌の治療をしたとはいえない.それは癌では治癒手術を施行したにもかかわらず高頻度に再発があり,死に到るからである.乳癌は他臓器癌に比べ,再発後でも大きな治療効果のえられる症例が多く,出来るだけ早く発見して適切な治療を施行すれば,長期にわたり寛解を得て生命を延長させることが可能である.乳癌の再発は通常孤立性であることは少なく,複数臓器にまたがり,また同一臓器であつても多発性あるいは播種性のことが少なくない.また初めは孤立性であつても,癌の進行とともに多発性になる場合が多い.したがつて,患者が訴えてきた症状なり所見なりを待つて再発の診断をするのではなくて,全く無症状のものの再発巣の発見を心がけながらfollow upすべきである,また進行乳癌においては,治療効果の判定や,他臓器への転移を速やかに把握し,最も適切な治療法を選択するために常に十分な配慮をもつてfollow upしていかなければならない.
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