Japanese
English
臨床研究
乳房Paget病の悪性度に関する検討
The investigation for malignant potential of mammary Paget's disease
鈴木 眞一
1
,
土屋 敦雄
1
,
野水 整
1
,
中野 憲一
1
,
菅野 正彦
1
,
金沢 匡司
1
,
安藤 善郎
1
,
二瓶 光博
1
,
君島 伊造
1
,
阿部 力哉
1
Shinichi SUZUKI
1
1福島県立医科大学第2外科
pp.1925-1930
発行日 1989年12月20日
Published Date 1989/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210589
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はじめに
1840年にVelpeauが初めて乳頭の湿疹様病変をきたした疾患を報告したが,乳癌との関連については記載がなかった1).1874年イギリスのJames Pagetは乳頭の慢性湿疹様病変に続発する乳癌を初めて記載し2),以来このような疾患をPaget病と称するようになった.
1973年坂元ら3)はPaget病をPaget癌とPagetoid癌に分け,前者は癌が乳管内に限局ないし軽度の管外浸潤性を示すもので臨床的には腫瘤を伴わないあるいは触れないPaget病であり,後者は病理組織学的には乳腺内の癌の管外性浸潤が著しく臨床的には腫瘤を伴うあるいは触れるPaget病であるとした,しかし,乳癌取扱い規約(第9版)4)ではPaget病とは「乳頭,乳輪の表皮内浸潤を特徴とする癌で,乳管内進展がみられ間質浸潤が存在するとしても軽度なものをいう」とされ,この多くは非浸潤性のものであり,坂元らのいうPaget癌がこれに相当し,Pagetoid癌に相当するものは「管外浸潤が著しいものはその癌の主病巣の組織型に分類し,表皮内進展の存在を附記する」とされている.
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