Japanese
English
特集 癌術後follow upと再発時の対策
甲状腺癌
Postoperative follow up of cancer patients and management of the recurrence; thyroid cancer
宮内 昭
1
,
隈 寛二
2
Akira MIYAUCHI
1
,
Kanji KUMA
2
1香川医科大学第2外科
2隈病院
pp.1471-1475
発行日 1987年9月20日
Published Date 1987/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209809
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はじめに
甲状腺の悪性腫瘍には乳頭癌,濾胞癌,髄様癌,未分化癌および悪性リンパ腫があり,それぞれ腫瘍の性質も悪性度も著しく異なつている.したがつて,術後follow upのやり方,合併療法および再発時の対策もそれぞれ大きく異なつている.本論文では,甲状腺悪性腫瘍の90%以上を占める乳頭癌と濾胞癌に焦点を絞つて述べることにする.
これらはいずれも,濾胞細胞由来の癌であり,症例ごとに程度の差はあれ,多少とも母細胞の性質,例えば,サイログロブリンの産生,無機ヨードの集積などの能力を有している.また,甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激に反応性を示すものが多く,このような腫瘍はTSHレセプターを持つていると考えられている1),したがつて,TSHによつて増殖も促進されると推測されており,このためやや過剰の甲状腺ホルモンを投与し下垂体からのTSHの分泌を抑制する抑制療法1)が試みられている.
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