Japanese
English
臨床報告
閉鎖孔ヘルニアの4例—特に術前CT検査の有用性について
4 cases of obturator hernia;the preoperative computed tomographic diagnosis of obturator hernia
堀尾 静
1
,
佐久間 温巳
1
,
松崎 正明
1
,
赤座 薫
1
,
赤井 秀実
1
Shizuka HORIO
1
1西尾市民病院外科
pp.661-664
発行日 1987年5月20日
Published Date 1987/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209693
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はじめに
閉鎖孔ヘルニアは比較的稀な疾患である1,2).しかし高齢者に好発するため,手術死亡率も21%と決して低くはない1).それは,本症の術前診断が難しく2),経過も比較的緩慢な症例が多いため,結果として手術のタイミングを失してしまうことに要因の一つがあると思われる.
最近われわれは4例の閉鎖孔ヘルニアの嵌頓例を経験し,そのうちの2例にCT検査をしたところ,絞扼部の直接描出に成功し,確実な術前診断のもとに開腹しよい結果を得た.CT検査は,閉鎖孔ヘルニアの術前診断法として,絞扼部が直接描出でき,確実な開腹根拠となり,本症にとつて早期診断・早期治療につながる有用な診断法と思われるので報告する.
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