Japanese
English
臨床研究
インスリノーマにおける消化性潰瘍の合併と胃酸分泌
Peptic ulcer and gastric acid secretion in the patients with insulinoma
斎藤 貞徳
1
,
亀山 仁一
1
,
佐々木 巌
1
,
今村 幹雄
1
,
内藤 広郎
1
,
佐藤 寿雄
1
Sadanori SAITO
1
1東北大学医学部第1外科
pp.531-535
発行日 1985年4月20日
Published Date 1985/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208989
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はじめに
インスリノーマにおいては,ラ島腫瘍からインスリン過剰分泌に起因した低血糖症状が発現することは衆知するところであるが,かかる病態においては低血糖により迷走神経の興奮状態が生じているものと考えられる.これらを胃酸分泌の面からみると,本症においてはインスリン試験1)が繰り返し行われているごとき病態にあるため,迷走神経を介した胃酸分泌充進が惹起され,胃・十二指腸潰瘍が発生しやすい状態にあると推測される.しかし,Whippleら2)により本症の概念が確立されて以来,多くの報告があるにもかかわらず,本症における胃酸分泌と消化性潰瘍の合併についてはこれまでほとんど検討がなされていない.そこで,著者らは教室で経験したインスリノーマの手術症例について胃酸分泌動態,ならびに消化性潰瘍の合併頻度の面より検討を行つたので報告する.
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