Japanese
English
臨床報告
食道に原発したleiomyoblastomaの1例
Leiomyoblastoma of esophagus, a case report
膳所 憲二
1
,
川崎 雄三
1
,
末永 博
1
,
田辺 元
1
,
吉中 平次
1
,
福元 俊孝
1
,
松野 正宏
1
,
丸田 憲三
1
,
吉井 紘興
1
,
加治佐 隆
1
,
西 満正
1
,
田中 貞夫
2
Kenji ZEZE
1
1鹿児島大学医学部第1外科
2鹿児島大学医学部第2病理
pp.265-268
発行日 1984年2月20日
Published Date 1984/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208569
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はじめに
1960年Martin1)らが核周囲に空胞(透明帯)を有する特異な形態を示す胃腫瘍をmyoid tumorとして初めて記載した.ついで1962年にStout2)は,平滑筋腫,平滑筋肉腫,脂肪肉腫,glomus tumor,hemangioperi—cytomaなど多くの名称で報告された胃筋原性腫瘍69例を検討し,その細胞形態,悪性度などより,それら一群の腫瘍を"bizzare leiomyoblastoma"と呼ぶことを提唱した.本腫瘍の最大の特徴は,光顕像で比較的大型の円形腫瘍細胞がびまん性に増殖し,核周囲に空胞(透明帯)を有することである.本邦においても胃原発のものはわれわれの集計した限りでは105例ある.しかし食道に原発したものは極めて稀で,自験例を含めて本邦で2例,欧米で5例をみるにすぎない.今回われわれは虫垂炎術後の腹壁膿瘍の治療中に食道・胃透視を施行し,偶然に発見しえた本腫瘍を経験したので報告する.
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