画像診断 What sign?
"windsoch" deformity
佐藤 豊
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1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.1467
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208457
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十二指腸膜様閉塞は小児期にみられる稀な十二指腸の狭窄性病変である.一部に開口部を有する十二指腸の膜様物(duodenal webあるいはdiaphragin)はVater乳頭の近くに付着し,蠕動により吹流し(windsoch)状に拡張を呈する.腸管回転異常,内臓逆位などの合併奇型を有することも多く,胆管が膜様物の表面に開口する場合もある.通常,近位消化管の閉塞症状で新生児〜乳児期に発症するが,年長児で反復性嘔吐にて発症することもある.腹部単純X線像は十二指腸の不完全閉塞のパターンを呈し,十二指腸狭窄,輪状膵,中腸軸捻などとの鑑別を要する.上部消化管造影所見は非常に特徴的であり,"吹流し"状の十二指腸の拡張("windsoch" deformity)と蠕動亢進がみられ,薄い半月状のwebによる陰影欠損を認める(図1).
本症は術中直視下でも病変の確認が困難であることもあり術前の造影検査による診断が重要である.治療はVater乳頭を確認した上でwebの切除を行う.
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