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特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題
小児鼠径ヘルニア
「一日入院」システム
"Day surgery" system at Kanagawa Children's Medical Center
角田 昭夫
1
,
西 寿治
1
Akio TSUNODA
1
,
Toshiharu NISHI
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.1001-1006
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208376
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はじめに
神奈川県立こども医療センターにおける鼠径ヘルニア手術の入院日数の変遷は次の通りである.すなわち開所(1970年)当時は手術前日入院し,術後2泊する3泊4日であつた.しかし間もなく術後1泊でも問題ないことが確かめられ,2泊3が当分続いた.1978年頃より前日入院のdemerit(主として母子別離による手術までの児の精神的疲労及びそれに対する看護力)が内部で論議されるようになり,また清瀬小児病院など他施設の方法を参考にし1),手術当日入院し翌日退院させる1泊2日が一般的となつた.
その後,さらに国立小児病院における外来手術2)や,経済性も一つの理由としている欧米における"Day care surgery""Day stay surgery"などを参考にし,鼠径ヘルニア手術を中心とする「一日入院システム」を検討中であつた.たまたま昨1982年,当施設における唯一の閉鎖病棟が脳外科を中心として開棟される機会を利用し,「一日入院システム」がスタートした3).以下,現状を概説し,現在までの実績を分析してその存在意義について考察を加えた.
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