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特集 鼠径・大腿ヘルニアの話題
小児鼠径ヘルニア
滑脱ヘルニアの処置
Surgical procedures for sliding inguinal hernia in infants and children
今泉 了彦
1
,
平田 彰業
1
,
野沢 博正
1
Satohiko IMAIZUMI
1
,
Akinari HIRATA
1
,
Hiromasa NOZAWA
1
1埼玉県立小児医療センター外科
pp.993-995
発行日 1983年7月20日
Published Date 1983/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208374
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はじめに
鼠径ヘルニアの場合,ヘルニア内容となる臓器(盲腸,結腸,膀胱,子宮および付属器など)の腹膜被覆のない部分が脱出し,ヘルニア嚢の一部を形成するものを滑脱型ヘルニアと呼んでいる.小児にも滑脱型ヘルニアはあるが,その大部分が卵管,卵巣の滑脱であり,全女児鼠径ヘルニアの20〜30%程度にあるとされている1).稀れに盲腸,虫垂が滑脱することもある.
小児の鼠径ヘルニアは,腹膜鞘状突起の閉鎖不全が原因であり,外科治療はヘルニア嚢の高位結紮が標準術式とされている.しかし滑脱型ヘルニアでは,単純な高位結紮が困難であることから治療に対する考えは必ずしも統一されておらず,手技においてもさまざまな工夫がなされている.問題点を整理しながら私どもの行つている術式を紹介する.
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