Japanese
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特集 癌手術と再建
悪性腫瘍切除後の胸壁の再建
Reconstruction of chest wall after malignant tumor resection
北野 司久
1
,
藤尾 彰
1
,
八木 一之
1
,
松井 輝夫
1
Morihisa KITANO
1
1天理よろづ相談所病院胸部外科
pp.483-488
発行日 1983年4月20日
Published Date 1983/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208283
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はじめに
胸部悪性腫瘍に対して外科療法,放射線療法,化学療法などの集学的治療が専門病院で行われ,比較的よくコントロールできるようになつてきた.その結果,癌患者の生存率も上昇し,その延長された余命はできるだけ快適な生活が送れるようにしたいものである.しかし,胸部の悪性腫瘍に対する外科療法や放射線療法などの局所療法後に起こる胸壁欠損や皮膚潰瘍は,心肺機能の低下をはじめ同時に患者の日常生活の行動も制限するので,それらに対して外科的に矯正修復して心肺機能の温存を図り,日常生活の制限を解除してやる必要がある.このような観点から,私たちは悪性腫瘍の集学的治療後に生じる胸壁欠損や感染性皮膚潰瘍をはじめ,先天的な胸郭変形に対しても1,2)積極的に外科治療を試みている.
今回は,胸部悪性腫瘍の外科的切除後に起こつた胸壁損傷に対する胸壁再建術に関して,私たちが行つている治療方針やその方法について紹介する.
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