外科医のための臨床輸液問答・12【最終回】
症例による電解質の見方〈その3〉
長谷川 博
1
,
和田 孝雄
2
1国立がんセンター外科
2慶大医学部内科
pp.227-232
発行日 1983年2月20日
Published Date 1983/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
糖尿病とアチドージス
和田 アチドージスが次々と続き,いままでわりとClに関係があるものが多かつたんですけれども,今度は糖尿病性のケトアチドージスですね.これは昏睡寸前の電解質正常例ですか.
長谷川 これは10数年前の症例ですが,口渇,多尿と体重減少を主訴としてきまして,胃の具合が悪いんだというんで,胃のほうを一生懸命調べたけれども,異常がない.入院する1週間前からとにかく身体の調子がものすごく悪い.それで,入院直後からうとうとし始めて昏睡的になつてきたんです.血圧も別に上がっていない.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.