今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
トピックス
電解質摂取の問題点
和田 孝雄
1
,
山下 光雄
2
Takao WADA
1
,
Mitsuo YAMASHITA
2
1慶応義塾大学医学部・内科
2慶応義塾大学病院・食養課
pp.582-585
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217106
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わが国における食物学は,古代中国の本草から影響を受けた食物本草をめぐる知識として発展してきた.しかし,明治以降になり,西洋の錬金術から生れた分析化学的栄養学が輸入され,ついにはこれが主流を占めるようになった.現代の電解質学はまさにこの流れを汲んでいるといえよう.
人体を構成する成分を元素比でみると,96%がO,C,H,Nによって占められており,残りの4%が,Ca,P,K,S,Na,Cl,Mg,Fe,I,Cu,Znなどの無機質となっている.これらのうち生体内に1mg/kg以下,またはFeの必要量60μg/kgを基準として,これ以下の量しか存在しない元素を微量元素(trace element)と呼ぶ.
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