カラーグラフ 臨床外科病理シリーズ・1
食道表在癌
板橋 正幸
1
,
廣田 映五
1
,
飯塚 紀文
2
,
平嶋 登志夫
3
1国立がんセンター病理
2国立がんセンター外科
3国立がんセンター内科
pp.14-15
発行日 1983年1月20日
Published Date 1983/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208208
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食道癌の予後は,国内および世界的にみて良いとは言えない.ちなみに我国の食道疾患研究会の全国的統計によれば切除食道癌例全体の5年生存率は30%以下である.その理由は,臓器が解剖学的に手術の困難性を伴い,術後合併症を伴い易い臓器であることもあるが,問題は発見が遅く,進行癌が多い事であろう.従つて早期の癌発見が切望されるわけであるが,上記研究会の食道疾患取扱い規約によれば,食道癌で,癌巣が粘膜および粘膜下層までに局限しているものを「表在癌」と呼び,そのうちリンパ節転移がない例を「早期癌」と規定している.
本供覧症例が,早期あるいは表在癌発見の一助となれば幸甚である.
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