Japanese
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特集 膵・胆管合流異常の外科
外科治療
小児
Surgical treatment for anomalous junction of pancreatico-biliary ductal system in children
秋山 洋
1
,
佐伯 守洋
1
,
小方 卓
1
Hiroshi AKIYAMA
1
,
Morihiro SAEKI
1
,
Takashi OGATA
1
1国立小児病院外科
pp.1803-1807
発行日 1982年12月20日
Published Date 1982/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208193
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はじめに
近年,膵管胆道合流異常が反復する上腹部痛の原因として注目されるようになつてき,小児外科領域ではこの合流異常が胆道穿孔1)や胆管拡張症の原因となるとの報告が多くなされている2,3).実際に従来より知られている総胆管嚢腫(chole—dochal cyst)例を詳細に検討すると膵管胆道合流異常を多くの症例に証明することができる.しかし,このような合流異常に起因してなぜ総胆管のみが巨大な嚢腫状形態をとつて拡張をきたすかについては未だ十分な説明がなされていない.一方,胆管拡張症のなかには嚢腫形態を示さずに円筒状,紡錘状に拡張をきたすものがあり,このような形は,膵管胆道合流異常による膵液の逆流による2次的な胆道系の変化としては理解しやすい.実際に臨床面でもこのような症例に遭遇する機会もあり,今回は著者等自身が経験した3症例を中心に診断,治療面を中心に述べることにする.
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