カラーグラフ・7
胃切除(Billroth Ⅱ法)後の切除可能な膵頭部Islet cell carcinoma—アミラーゼ高値が契機で発見
高木 國夫
1
,
竹腰 隆男
2
,
大橋 計彦
2
,
丸山 雅一
2
1癌研究会附属病院外科
2癌研究会附属病院内科
pp.1159-1164
発行日 1982年8月20日
Published Date 1982/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208089
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近年,胃切除後の残胃新生癌が注目を集めているが,胃切除後の症例について,肝,胆,膵の検査が必要となる場合が少なくない.胃切除例の中で,Billroth Ⅰ法例では十二指腸や膵,胆道系についてX線検査や,ERCPは容易に行いうるが,胃切除でBillrothⅡ法例(B-Ⅱと略)では,十二指腸や膵胆道系の検査は,簡単ではない.とくにB-Ⅱ法例のERCPについては胃空腸吻合口から輸入脚をさかのぼつて,Treitzから十二指腸乳頭部まで逆行性に十二指腸内視鏡を挿入することは,困難であろうと考え,また実際に試みてうまくゆかない場合を経験するとあきらめてしまう傾向にある.
我々は,1969年ERCPに成功して以来胃切除(Billroth Ⅱ法)後のERCPについて,種々検討し,現在では31例中11例(35.5%)に成功している.とくにGIFP2では10例中4例(40%),JF-ITでは7例中4例(45%)にERCP成功している.
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