特集 外科外来マニュアル
私の治療
各論—頭頸部
顎関節脱臼
鳥山 稔
1
1国立病院医療センター耳鼻咽喉科
pp.644-645
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207966
- 有料閲覧
- 文献概要
□概説
顎関節は側頭骨の頬骨弓下にあつて,開口時には,単にここを支点として開くだけでなく,前方に滑り,関節結節でとまりながら開口する.欠伸,哄笑,叫笑,抜歯などの際に過度に開口すると下顎骨関節突起はこの結節を越えて前方に突出する.このため下顎は上顎に対して前方に突出し,開口,咀嚼,発語障害をおこし,疼痛も訴える.耳珠前部に下顎関節突起がなくなるので,何もなくなり,またおとがい部は前方へ突出する.患者によつては習慣性に脱臼をおこすものもいる.このように前方への脱臼が多いが,ごく稀に後方脱臼をおこして外耳道下方に下顎骨関節突起があたることもある.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.