わが教室自慢の手術器具・19
本庄氏甲状腺消息子
水本 龍二
1
,
小倉 嘉文
1
1三重大学医学部第1外科
pp.1108-1109
発行日 1981年7月20日
Published Date 1981/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207753
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はじめに
1976年9月以来,われわれは三重大学第1外科教室で,特に肝・胆・膵の外科を主体とした診療,研究に日夜意欲を燃して取り組んでいるが,手術成績を向上させるために大切なことは局所解剖学的知識はもちろんのこと,手術時の所見を正しく理解し,その病態を十分把握した上で,如何に手術に取り組むかであり,通常,一般外科領域の手術に際しては,特殊な手術器具はあえて必要とせず,従来から広く用いられている外科手術器具のみで十分その目的を達しうるものと考えている.
しかし,手術手技の熟練は外科医にとつて極めて大切であることも言をまたない.特に剥離手技は,いわゆる手術のコツともいうべきものであり,これが熟練されていれば無用に組織を挫滅することがなく,また他臓器を損傷することもなく,出血も少なく,手術時間ははるかに短縮される.従つて,著者は特に慎重な剥離を必要とする場合や肝・膵の切除などを円滑に遂行するために,「本庄氏甲状腺消息子」を愛用しており,これを「わが自慢の手術器具」として紹介する.
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