Japanese
English
臨床研究
吸収性,非吸収性縫合糸の比較
A comparison of absorbable and non-absorbable sutures
岩佐 博
1
,
三村 一夫
1
,
平出 星夫
1
,
溝口 修身
1
,
加辺 純雄
1
,
大崎 裕子
1
Hiroshi IWASA
1
1防衛医科大学第1外科
pp.827-832
発行日 1981年5月20日
Published Date 1981/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207715
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はじめに
外科手術に縫合糸は欠くことの出来ないものである.近年縫合糸の種類も非常に増加しているが,著者らの1980年の調査では,絹糸が90%前後を占めている12).絹糸は非吸収性縫合糸の代表的なもので,ほぼ半永久的に組織内に残存している.事実著者らも,手術後十数年経つてから縫合糸膿瘍として膿瘍を形成して来た症例を経験したが,外科医としてそのような症例を経験された方は少くないと思考される.しかし,小膿瘍では抜糸により簡単に治癒するので,外科臨床では余り問題にならない.たしかに非吸収性なるが故に種々の障害が報告されており,中には再度手術をし,絹糸を抜去したとの報告もある1).
絹糸のヒト組織中における長期間の観察をした報告は多くない.
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