グラフ
頭部外傷の救急開頭術
竹内 一夫
1
1虎の門病院脳神経外科
pp.425-430
発行日 1964年4月20日
Published Date 1964/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203297
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多くの頭部外傷症例の中で手術的治療を要する場合はそれほど多いものではない.しかし急性頭蓋内血腫などは救急開頭術により血腫の除去,止血を行なうことによつてのみ救命しうる症例である.
急性頭部外傷症例を収容した場合には,病状の推移を注意して観察しつつ,ただちに外科的処置が必要か,内科的処置だけでよいかをみきわめなければならない.したがつて第一線の外科医は何時でも,何処でも救急開頭術の適応を決定し,手術ができなければならない.いわゆる試験穿頭術(Inspection burr hole)程度の侵襲は,これが正しく行なわれる限り,重症患者に対しても余りマイナスになることはない.そのため救命のためにはただ絶対安静の原則のみを固守することなく,ある程度の積極的処置も許されるであろう.
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