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特集 晩期癌患者のcare
対症療法の実際
イレウス
Management of delayed intectinal obstruction following cancer surgery
葛西 猛
1
,
牧野 永城
1
Takeshi KASAI
1
,
Eiki MAKINO
1
1聖路加国際病院外科
pp.341-343
発行日 1981年3月20日
Published Date 1981/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207628
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はじめに
晩期癌患者がイレウスになつた時,われわれ臨床医は最初から癌性腹膜炎によるものであろうと決めてかかり保存的治療に終始することが多い.これでは,患者はイレウスによる苦痛から解放されないばかりか手術可能なタイミングをも失う結果となる.
最新の医学知識と医療技術および器械(たとえば循環器系におけるCVPやSwan-Gangによるモニタリング,呼吸器系におけるIMVやCPAPを駆使できるレスピレーター,腎不全に対する簡便な透析法そして低栄養に対するIVHなど)をもつてすれば,今日われわれは,かなりpoor riskな患者の術中および術後管理をも比較的安全に施行できるようになつた.従つて,外科的手段により短期間にしろイレウスが解除され,患者が経口摂取可能となり,その他のイレウスによる苦痛から解放されるならば,われわれ外科医は晩期癌患者のイレウスに対しても積極的な姿勢で対処すべきである.
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