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特集 私の縫合材料と縫合法
創傷治癒からみた縫合糸—消化管吻合創を中心に
Effect of suture materials on healing wounds of the intestinal tract
北島 政樹
1
,
相馬 智
1
Masaki KITAJIMA
1
,
Satoru SOHMA
1
1杏林大学医学部第1外科
pp.1512-1521
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207544
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はじめに
吻合法からみた吻合部の治癒機転については種種の研究があるが,縫合糸と治癒機転の相関についての研究は少ない.縫合糸は治癒が進行する時に,縫合後3〜4日の間,物理的結合力として重要な役割を演じていることは周知の事実である.このような重要な縫合糸もそれ自身,組織に対し種々の組織反応,つまり炎症,破壊など創傷治癒に対し遅延因子として作用する場合がある.そこで今回,消化管吻合創の治癒に対し,縫合糸がどのような影響を及ぼしているか,またいかなる吻合法と縫合糸を用いたら理想的な消化管吻合が可能かを,主として創傷治癒の面から検討し知見を得た.
検討に際しては著者が従来から言及してきた吻合創の経時的変化の研究成績を基にし,今回はとくに吻合法による創傷治癒の差および組織反応の異なると思われる4種類の縫合糸chromic catgut,silk(Black Braided),P. G. A(Polyglycolic Acid)およびSurgilon(Black-Braided Nylon)について比較検討した.
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