Japanese
English
特集 術中・術後の出血
臓器切除と出血
肝臓
Control of bleeding during hepatic lobectomy
岡本 英三
1
,
京 明雄
1
Eizo OKAMOTO
1
,
Akio KYO
1
1兵庫医科大第1外科
pp.1241-1246
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207256
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はじめに
肝臓は豊富な血液で充満したspongeにたとえられ,従来"do not touch me organ"の一つとして,永い間外科医の触つてはならない臓器とされてきた.この臓器に対する不用意な外科的処置は極めて不愉快な,また容易に止血し難い出血を引き起こす.
今日の如く肝広範切除が可能になつたのはせいぜい今世紀中頃からである.肝切除が可能となつた陰には,手術手技,麻酔,輸血の進歩など外科学全般の進歩は勿論であるが,最も大きく貢献したのは肝のもつ膨大な代償能,再生能の認識と肝内脈管構築の解明に基づく肝区域の概念である.
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