Emergency Care—Principles & Practice・1【新連載】
救急医療の実施にあたつて注意したいこと
川嶋 望
1
1国立長崎中央病院外科救命救急センター
pp.518-523
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207146
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
この講座のねらい
医師国家試験に合格した時点においては,プライマリーケアーに対処する医学的知識に不足はない.しかし,医学教育が教科書や講義を中心にし,検査資料に基づく診断学が主流であつたとすれば,救急医療はもちろん,小外科的救急処置さえおぼつかない.
救急患者の初療においては,詳細な問診・緻密な診察・検査資料の収集による診断学的構築を行なう前に,静脈確保・気道確保・心肺蘇生などの治療行為を初めなければならないことがある.しかしこのとき,医師が反射的に救急医療に対処する知識や技能をもたずに患者に接するとすれば,患者や家族を前にただ戸惑うにすぎないだろう.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.