カラーグラフ 内視鏡的色素シリーズ・2
食道炎—トルイジンブルー・ヨード二重染色法を用いた食道ビラン潰瘍性病変の診断
吉田 操
1
,
林 恒男
1
,
遠藤 光夫
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.306-307
発行日 1979年3月20日
Published Date 1979/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207118
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トルイジンブルー・ヨード二重染色法は,2%トルイジンブルー(以下T.B.)と3%ルゴール液(以下ヨード)を1回の内視鏡検査に用いて,上皮欠損部をT.B.で青染し,正常粘膜をヨードで褐色染色し,病的上皮を白色の不染帯として染分ける方法である.ビラン潰瘍型食道炎に本法を用いると,染色所見に従つて4型に分類できる.この病型は組織診断における食道炎および再生性機転の所見に良く一致する(表).
二重染色Ⅰ型 肉眼的には浅い小ビランで白苔はうすい.染色するとT.B.は中央に濃くビラン辺縁部にうすい.周囲の粘膜はヨードで良く染る.ビラン辺縁部は青染と同時にヨードにも染色を示す(図①)).生検組織では,ビラン辺縁部で上皮が一部残存するが中央では肉組芽織が露出している.好中球をはじめ炎症性細胞浸潤も強い.高度の食道炎である.
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