カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・11
食道潰瘍
遠藤 光夫
1
,
吉田 操
1
,
林 恒男
1
1東京女子医大消化器病センター外科
pp.710-711
発行日 1976年6月20日
Published Date 1976/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206520
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食道潰瘍は稀な疾患とされたが,食道鏡検査例からみて,10年前は0.8%であつたが,昨年の統計では2.3%と増加している.原因として,多く,胃液の逆流によると思われる消化性のもので,食道裂孔ヘルニア,短食道を合併するが,なかには,特殊性炎,器械的原因など消化性以外の原因とされるものもある.
食道潰瘍は,X線上,下部食道の狭窄,壁の硬化,不整など,癌類似の所見を示すが,ニッシェを証明することはむずかしく,間接所見で診断しなければならず,狭窄部肛門側に胃粘膜を証明,食道裂孔ヘルニアをみつけることが,診断上の手掛りになる.
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