Japanese
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特集 老年者の手術—併存疾患の診かた・とらえ方
内分泌機能障害—とくにD.M.—がある場合—私はこんな点に注意している
Surgical mangement of the aged patients with D.M.
赤木 正信
1
,
木原 信市
1
,
新田 良男
1
Masanobu AKAGI
1
1熊本大学医学部第2外科
pp.1111-1116
発行日 1978年8月20日
Published Date 1978/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207001
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はじめに
近年における日本人の平均寿命は著しく延長し,その人口動態にも老齢化の傾向がみられている.このような日本の人口の年齢構成の変化に伴つて,診療対象として老年層の占める割合にも増加がみられる.特に外科領域においては,日本人の平均寿命の延長に伴つて老齢者での外科的成人病,とくに癌性疾患への罹患が著しく増加している.
一方,このような老齢者では,生体反応は低下しているとされており,それだけに老齢者の外科手術にさいしては術前,術後管理に格別の注意が喚起されている.この老人における生体反応低下の要因として内分泌機能低下の介在も考えられる.しかし,実際に測定した老人での各種の内分泌物質の血漿中レベルの低下〜増加は意外に少なく,老人での内分泌,代謝系の障害〜疾患としてあげられるものは,糖尿病,肥満症,甲状腺機能異常,性腺機能低下および更年期障害などで,これらのうち外科領域において最も普遍的に遭遇する合併疾患は糖尿病,性機能低下,更年期障害をあげることができる,しかし後二者の合併症は手術前後の管理と密接に関連した意義を見出し難い.すなわち老齢者の外科的疾患の治療に際して最も多く遭遇する内分泌機能異常は,糖尿病を最も普遍的なものとして指摘できる.
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