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特集 老年者の手術—併存疾患の診かた・とらえ方
心臓血管系障害がある場合—私は開腹術の前後でこんな点に注意している
Surgical and anesthetic consideration with respect to pre-and post-laparotomy management in elderly patients associated with cardio-vascular diseases
林 四郎
1
,
小山 省三
1
Shiro HAYASHI
1
,
Syozo KOYAMA
1
1信州大学医学部第1外科
pp.1089-1095
発行日 1978年8月20日
Published Date 1978/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206998
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はじめに
腹部手術にかぎらず,どのような手術であつてもできるだけよい条件,たとえば局所の病変は早期で,全身状態も良好な患者で手術を行なえれば,それにこしたことはないが,いわゆるpoorriskの患者に対しても必要な手術をどのようにして安全に実施するか,努力することもわれわれの責務であろう.以前には手術の実施が危険視され,何とかして避けたいものと考えられていた老人に対する手術についても,今日ではかなり満足できる成績を得られるようになつた1).しかしこの事実は老人の手術を気楽に行なつてよいと意味しているわけではなく,少なくとも70歳台,とくにその後半以後の老人に対しては特有な手術前後の病態を十分に理解し,手術の適応決定2,3),術前から術後にかけての管理などについて,それ相応の配慮が必要であり,心臓・血管系に異常がある老人に対する手術について,筆者の見解を述べたい.
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