グラフ 外科医のためのX線診断学・6
上部消化管造影—食道<その1>
中山 隆市
1
1平塚市民病院外科
pp.889-899
発行日 1978年6月20日
Published Date 1978/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206974
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食道のX線解剖
食道のX線読影にあたつては食道の解剖を十分に理解しておくことが大切である(表1).食道には生理的な狭窄部が3つあるが第1狭窄部と第3狭窄部付近の食道X線像は周囲臓器が固定され動きの少ないため比較的読み易い.しかし胸部食道は肺,気管支,及び摶動性の心,大血管また読影上大いに邪魔ともなる鎖骨,胸骨,脊柱骨等の影響をうけるため撮影にあたつては第1斜位,第2斜位,schatzki体位等を駆使して食道を浮きだすようにする努力が必要である.読影にあたつては,①食道全長の型,②食道壁(外膜を中心に),③食道の粘膜像の順にその変化をよみ,それらの記載にあたつては食道癌取り扱い規約のX線分類に従い1),a)占居部位,b)壁在性,c)長径,d)型(表在型,腫瘤型,鋸歯型,漏斗型,らせん型等),e)境界の性状(明瞭,不明瞭)等の順によむ習慣をつけておくとよい.(細目については食道癌取り扱い規約参照).
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