Japanese
English
特集 T-tubeと胆道鏡
T-tube挿入の適応—私はこう考える
Indications for the T-tube insertion
水本 龍二
1
,
日高 直昭
1
Ryuji MIZUMOTO
1
,
Naoaki HIDAKA
1
1三重大学医学部第1外科
pp.785-790
発行日 1978年6月20日
Published Date 1978/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206960
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はじめに
近年,胆石症における診断技術の向上や術中胆道造影の普及により,結石の遺残あるいは再発の頻度は減少の傾向にあるが,いまだに再手術例中の結石の遺残あるいは再発の頻度は少なくない1).すなわち初回手術時における原疾患や合併病変の認識や,さらに手術術式の選択が問題となり,T-tubeの適応も重要な問題のひとつである.
T-tubeはまた胆道系悪性腫瘍に際しても胆管空腸吻合のsplint drainageや切除不能例に対する腫瘍貫通法としても利用され,また急性化膿性胆管炎や重症型急性膵炎などに対する急性期の胆道減圧法として,あるいはLemmel症候群やsphincteroplastyなどの付加手術としても使用されている.そこで日常われわれの行なつている胆石症やその他良性疾患における総胆管切開およびT-tube挿入の適応について述べ,さらに肝門部腫瘍における黄疸軽減法としてのT-tube,U—tubeの応用などについて自験例を中心に述べてみたい.
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