Japanese
English
特集 消化性潰瘍と迷切術
選択的近位胃迷切術のコツ
A technique of selective proximal (highly se-lective or parietal cell) vagotomy for duodenal ulcer
武藤 輝一
1
,
松木 久
1
,
野沢 晃一
1
,
奈良井 省吾
1
,
田近 貞克
1
,
高桑 一喜
1
,
磯部 茂
1
,
佐々木 広憲
1
,
鰐渕 勉
1
,
田宮 洋一
1
Terukazu MUTO
1
1新潟大学医学部第1外科
pp.205-212
発行日 1978年2月20日
Published Date 1978/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206895
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はじめに
選択的近位胃迷切術は最近本邦においても多くの施設で施行されるようになつた.Griffith & Harkins(1957)により,実験的に試みられ,Holle(1964)により臨床的に施行されるようになつた術式1)であるだけに歴史も浅い.本邦では田北(1970)2)による発表が始めてである.潰瘍の再発率は広範囲胃切除など従来の術式と比べやや高いが,愁訴は最も少ない.再発を防ぐにはより確実な手術操作が要求される.
著者の一人,武藤は1972年Holle(ミュンヘン大学),Burge(西ロンドン病院)のもとで4〜5例ずつの助手をつとめ,またClark(ロンドン大学)の手術を見学する機会があつた.従つて1973年春より当教室において施行し,術式についても発表して来た3,4).また榊原5)の図と写真による詳しい発表もある.自ら経験してきた手術よりも丁寧確実な手術を行なつているにも拘らず,十二指腸潰瘍例で術後の胃潰瘍発生1例と十二指腸潰瘍再発3例を経験するに到つた.現在これらの反省をもとに教室で施行している十二指腸潰瘍での手術手技のキーポイントについて述べる.
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