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特集 逆流性食道炎
逆流性食道炎診断上の問題点
Clinical studies on the diagnosis of reflux esophagitis
遠藤 光夫
1
,
林 恒男
1
,
吉田 操
1
Mitsuo ENDO
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.1081-1087
発行日 1977年9月20日
Published Date 1977/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206800
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はじめに
消化液の食道内逆流によつておこるとされる逆流性食道炎については,既に前世紀末より報告がみられ,わが国の,とくに外科側では,従来より食道再建術術後の逆流性食道炎について詳細な検討がなされてきた.一方,生活様式の欧米化に伴い最近は外来患者のなかに食道裂孔ヘルニアを伴う逆流性食道炎,食道潰瘍が目につくようになつた.一つには,内視鏡検査の普及で食道内の観察が容易になつて,胸やけ,不定の胃症状を訴えるもののなかに食道炎と診断のつく機会がふえたためでもあり,その上,肥つた人,高齢者がふえたためであろうとも考えられる.食道炎の診断基準については,既にきまつているようで,まだ問題点が多くのこされている.わが国では,欧米とちがつて高度のものの多くないためもあり,とくに"軽度"のものの診断について意見が多い,外科医にとつて,臨床症状の全くないものの多くが,"食道炎"とされてしまうことに何か割りきれないところもあつて,食道疾患研究会のなかでも,X線検査,内視鏡検査,生検,機能検査,それぞれの診断基準を一つずつの輪にたとえ,臨床症状の要素も同じウエイトにして,これらの輪の,お互に共通した部分に入るものだけを最終的に疾患として考えたら,というような考えが多い.
以下,滑脱型食道裂孔ヘルニアにみられる逆流性食道炎と食道再建術術後の術後逆流性食道炎について,おもに診断面について臨床的検討を加えてみる.
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