Japanese
English
特集 胆道手術後の困難症
胆管狭窄
Surgical treatment of the benign bile duct strictures
中山 和道
1
,
村石 信男
1
Toshimichi NAKAYAMA
1
,
Nobuo MURAISHI
1
1久留米大学医学部第2外科
pp.1541-1548
発行日 1976年12月20日
Published Date 1976/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206633
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はじめに
胆道手術後の困難症,あるいは胆摘術後症候群といわれるもののうち,患者はもとより外科医にとつて最も厄介なのは,術後の胆管狭窄である.その原因の大部分は比較的簡単な胆嚢適出術に由来するものであり,これらは術前,術中胆道造影による十分な病態および解剖的形態の把握,慎重なる手術手技により十分に防ぎうるものである.
しかし一旦,胆管狭窄が発生した場合には,その外科的治療は容易ではなく,直接死亡率もかなり高い.また早期に適切な処置が行なわれないと,黄疸の長期持続による肝障害,胆道感染,さらに胆汁性肝硬変症や二次的門脈圧亢進症などを併発し,良性疾患を母体として発生しながら悲惨な経過をとる例がみられる.
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