Japanese
English
特集 胆道手術後の困難症
感染症—とくに急性胆管炎を中心として
Biliary infection;with special reference to cholangitis acuta
松代 隆
1
,
高橋 渉
1
,
植松 郁之進
1
,
木村 晴茂
1
,
高沢 欣熙
1
Takashi MATSUSHIRO
1
1東北大学医学部第1外科
pp.1533-1540
発行日 1976年12月20日
Published Date 1976/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206632
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はじめに
良性胆道疾患例ではその既往歴が単に疝痛発作にとどまらず,発熱や黄疸を訴える症例が少なからずみられる.このことは,これらの症例の多くは胆汁うっ滞,上行感染をくり返しており,やがては重症な胆管炎,あるいは二次的な肝障害に移行する可能性があることを示唆している.急性化膿性胆管炎は急性胆管炎の重症型と考えられるが,その予後は悪く,手術死亡率は75〜88%の報告もみられる1,2).保存的療法で救命できたとの報告はない.したがつて,このような症例にはできるだけ早く適切なる胆道ドレナージを行なうことが,唯一の救命手段と考えられる.ここでは教室で経験した急性胆管炎をすでに急性化膿性胆管炎に進展していた群と進展していなかつた狭義の急性胆管炎群に分け,その臨床像を比較検討し,両者の鑑別診断および治療方針について考察を加えてみた.また,とくに胆道系の手術既往のあるものについては,その原因について検討した.
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