Japanese
English
臨床研究
乳腺疾患における穿刺吸引細胞診—癌,非癌の細胞学的考察
Aspiration biopsy of mammary tumors; cytological studies
北村 正次
1
,
冨永 健
2
,
鄭 則之
1
,
田口 鉄男
1
,
岩 信造
3
,
斉藤 雅子
3
,
飯島 陽子
3
Masatsugu KITAMURA
1
1大阪大学微生物病研究所付属病院外科
2東京都立駒込病院外科
3大阪大学微生物病研究所病理検査部
pp.1213-1219
発行日 1976年9月20日
Published Date 1976/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206589
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はじめに
近年乳癌患者ますます増加の傾向にあり,そして一般婦人の乳癌に対する関心も上昇し,検査を受けるために病院を訪れる婦人も多くなつて来た.乳腺疾患の外来受診者の年齢分布をみても若い婦人層の増加がみられ,また乳癌の集団検診においても同様の傾向がみられる1).しかしながら,現実にはそれらの若年者の乳腺腫瘤,特に良性疾患に対してむやみに切除生検を行ないすぎる傾向がないとはいえない.
一方乳腺疾患の補助診断法,たとえば乳房X線診断,超音波診断,ゼロラジオグラフィー,サーモグラフィー等による診断の進歩とともに,腫瘤の性状に関する情報がかなり得られるようになつたが,今一歩確診の手段とはなつておらず,現実には生検を施行しなければならない場面に直面することが多い,そこでわれわれは生検よりも侵襲が少ない穿刺吸引細胞診を施行することにより,無用の生検を回避することが出来ると考え,症例の検討を重ねて来た.今回は主としてその診断の基礎となる癌例および非癌例の細胞学的特徴について検討を加えた.
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