Japanese
English
特集 乳腺疾患—その診療の進歩
乳癌の細胞学的診断法—特に穿刺吸引細胞診について
Aspiration smear cytology of breast cancer
林田 健男
1
,
城所 仂
1
,
相馬 智
1
,
瀬戸 律治
1
,
後藤 一博
1
,
谷合 明
1
,
山川 達郎
1
,
片柳 照雄
1
,
浅倉 礼治
1
,
田村 清孝
1
,
百瀬 健彦
1
,
近藤 芳夫
1
Takeo HAYASHIDA
1
1東京大学医学部分院外科
pp.221-229
発行日 1969年2月20日
Published Date 1969/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204798
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はじめに
乳癌の診断方法として各種の検査法が開発され,臨床上その有用性が認められてきているが,Jackson21)のいうごとく,細胞学的方法を併用せずしては,十分の診断法といいがたいのではなかろうか.乳癌に対する細胞診の応用は,Nathan41)(1914)にはじまるが,体表面にあつて容易にsurgical biopsyを行ないうるために組織診—frozen sectionが主として発達し,細胞学的診断法は乳頭分泌物の得られる頻度が少ないこと,しかも癌細胞出現率の低い16)ことから重用されず,また,Martin34)35)(1930)によつてはじめられた穿刺吸引法も7)23),癌細胞を拡げる,あるいは"squeeze"する等の反論16)のため,正当な評価をうけるに至らなかつた.しかし細胞診研究者の地道な努力,特にMemorial Hospital34)35)58)32),KarolinskaSjukhuset11)64)に所属するCytologistおよびPa-panicolaou42)43)らのすぐれた研究業績が明らかにされるとともに,乳腺細胞診の重要性がようやく認識されてきたように思われる.
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