Japanese
English
臨床報告
腺癌のリンパ節転移と病理組織学的鑑別を要した鼠径部(Nuck管)子宮内膜症の1例
A case of endometriosis of the canal of Nuck associated with benign metastasis to lymph node
長嶺 慎一
1
,
中武 稔
1
,
寺井 武寿
1
,
横谷 邦彦
1
,
竹本 正幸
1
,
山内 陽一
1
,
宮本 海雄
2
,
高木 道夫
2
,
堀江 克行
2
,
桂 栄孝
3
Shinichi NAGAMINE
1
1国立姫路病院外科
2国立姫路病院産婦人科
3国立姫路病院病理
pp.1087-1092
発行日 1976年8月20日
Published Date 1976/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206573
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
切除した腫瘤を病理組織学的に検索して,リンパ組織の中に腺腔を形成する腺上皮を見出した場合は,腺癌のリンパ節転移を疑つて原発巣を探索するのが通常である.
われわれは最近成人女子の左鼠径部腫瘤を切除し調べたところ,上記の様な所見を認めたので,消化管および婦人科検査を行なつたが,原発癌巣を発見しえず,最終的に,Nuck管に発生した鼠径部子宮内膜症が,2次的にリンパ組織ヘリンパ行性播種を起こしたものと判明した症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.