特集 外科と血栓
EDITORIAL
血栓と外科的治療
杉江 三郎
1
Saburo SUGIE
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.1247-1249
発行日 1974年11月20日
Published Date 1974/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206134
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
外科と血栓──この課題は重要であるが,範囲も広範であり,焦点がなかなか絞り難い.本特集では,それぞれ外科における血栓の問題のうち重要課題が取り扱われるはずであるが,その導入部分としてここでは外科における血栓を俯瞰的にながめてみよう.
すでに古くVirchow病理学の教える通り,血栓形成の因子としては,①血管壁の変化(動脈硬化や損傷,その他感染),②血流の変化(動脈瘤や狭窄などによる血液停滞や渦流),および③血液成分の変化(血液凝固因子の変動,たとえば特発性血栓やDICなど)が指摘されてきたが,これは今日でも正しい.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.