Japanese
English
臨床報告
胃のReactive Lymphoreticular Hyperplasiaの4例
4 cases of reactive lymphoreticular hyperplasia of the stomach
山岸 健男
1
,
島津 久明
1
,
小堀 鷗一郎
1
,
小西 富夫
1
,
石川 浩一
1
Takeo YAMAGISHI
1
1東京大学医学部第1外科
pp.1207-1212
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206129
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はじめに
1928年にKonjetzney5)が慢性胃炎のなかに著明なリンパ球浸潤を伴う特殊な形態を呈するものがあることを指摘し,このような病変をlymphatisch hyperplastischer gastritisと命名したのが本症に関する最初の報告とされている.その後,この病変は主として胃の悪性リンパ腫との組織学的鑑別という点から注目され,各研究者によつてReactive lymphoid hyperplasia10),Pseudolymphoma2),Lymphoid tumors of the Stomach3)などの名称が与えられてきた.これに対して中村9)は本病変の組織所見にはリンパ球増生に加えて細網細胞の増生という要素が同時に存在することに着目してReactive lymphoreticular hyperplasia(以下,RLHと略す)という名称を提唱し,その後本邦においては,これを採用している報告者が多い.近年,診断技術の著しい向上によつてこのような症例の報告はしだいに増加しているが,この病変の臨床・病理学的意義に関しては,なお十分に明らかにされていないように思われる.
著者らも最近4例の手術症例を経験したので,これらについて報告するとともに2,3の問題点について若干の考察を加えてみたい.
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