Japanese
English
臨床報告
結腸脂肪腫の1例—本邦報告例の検討
Report of a case of colonic lipoma and review of the literature in Japan
曽和 融生
1
,
三木 篤志
1
,
馬 宗吉
1
,
尾松 準之祐
1
,
奥野 匡宥
1
,
畑間 博
1
,
北野 厚生
2
,
小林 絢三
2
,
赤土 洋三
3
Michio SOWA
1
1大阪市立大学医学部第1外科
2大阪市立大学医学部第3内科
3大阪市立大学医学部放射線科
pp.1073-1078
発行日 1974年8月20日
Published Date 1974/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206109
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はじめに
一般に消化管の脂肪腫は,比較的まれな疾患とされ,剖検例でも0.32〜4.4%1)2)3)の頻度に報告されているにすぎない.しかし消化管の部位的発生頻度では,大腸に占居する症例が最も多く4-7)9),したがつて大腸癌と鑑別すべき疾患の1つとして重要視する必要のあることはD'javid8)によつても指摘されている.本邦における大腸脂肪腫の報告は,1928年千葉11)にはじまり,それ以後現在まで第1表のごとく24例を数えるにすぎないが,今後大腸疾患の診断技術の発達と共に,本疾患が漸次増加する傾向にあるものとも考えられる.われわれは最近本症の1例を経験したので,この機会に本邦報告例についての臨床事項を中心に若干の考察を加えた.
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