Japanese
English
臨床報告
深部静脈閉塞を伴つた大腿膝窩動脈瘤の1治験例
A femoropopliteal aneurysm complicated with deep vein thrombosis:report of a case
前村 大成
1
,
井上 賢二
1
,
山本 淳一
1
,
畑野 良侍
1
,
児島 徹
2
,
田中 和雄
2
Taisei MAEMURA
1
1東京医科歯科大学第1外科
2立川第二相互病院外科
pp.413-417
発行日 1974年3月20日
Published Date 1974/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206002
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はじめに
下肢動脈瘤は高齢者に多くみられ,近年そのほとんどが動脈硬化性とされており,自然余命の延長に伴い本邦でも今後増加する疾患と考えられる.なかでも大腿動脈瘤はもつとも多くみられ,稲田ら1)による13例の下肢動脈瘤のうち11例,大原ら2)3)の32例中28例を占めている.他方,膝窩動脈瘤は大腿動脈瘤に次いで多いとはいえ,本邦ではその報告も少なく,上記の稲田らの13例中1例,大原らの32例中4例(総大腿—浅大腿—膝窩動脈瘤の2例を含む)にすぎない.
われわれは急速に増大したと思われる右大腿膝窩動脈瘤の圧迫により深部大腿膝窩静脈の血栓性閉塞を引きおこした症例に対し動脈瘤切除,動静脈血行再建術を行ない治癒せしめたのでこれを報告し,あわせて大腿膝窩動脈瘤ならびに膝窩動脈瘤の深在静脈に及ぼす影響につき文献的考察を行なつた4-26).
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